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トラブルを避ける“実家じまい”の進め方、無駄な出費や労力をかけない方法 片付けよりも優先してやるべきは「不動産の価値を把握」「家族会議」「不動産業者選び」

“実家じまい”をスムーズに進めるために気をつけるべき点は(写真:イメージマート)

“実家じまい”をスムーズに進めるために気をつけるべき点は(写真:イメージマート)

 受け継ぐ人のいない実家をどうするか──先送りにできない問題だが、いざ実家じまいするとなると煩雑なイメージが強く、手つかずのままになりがちだ。しかし、「正しい手順」を理解すればトラブルなくスムーズに終わらせることができる。

片付けの前に家の査定と家族会議を実家じまいで守る優先順位

 3年前に父親を亡くし、生まれ育った九州の実家を相続した都内在住の60代男性Aさん。遠方にある築50年以上の古い家に移り住む選択肢はなく、解体して土地の売却を決意したものの、買い手がつかず持て余しているという。

「実家の近くに住む叔父に『更地のほうが売れる』と言われ、300万円の解体費を払って更地にして売りに出しましたが一向に売れません。何の利用価値もない土地が残り、更地にしたことで上がった固定資産税を支払い続けています。どうにかして早く手放したいです……」(Aさん)

 全国的な空き家の急増を受けて、2023年末に改正空家対策推進特措法が施行された。長年放置され倒壊の危険がある空き家に行政が直接介入できる「特定空き家」の一歩手前である「管理不全空き家」が新設され、指定されると50万円以下の過料や固定資産税が6倍に跳ね上がることになった。

「実家じまいは事前に方向性を定めて行なわないと無駄な出費や労力をかけることになる」

 こう指摘するのは実家じまいに詳しい不動産事業プロデューサーの牧野知弘氏。

「大切なのは、正しい手順を追って実家じまいを進めること。結果、それがトラブルを回避して最短で実家じまいを終わらすことに繋がるのです」

 実家じまいの進め方を別掲の図にまとめた。牧野氏が言う。

「多くの人は家の片付けから始めますが、その前に不動産の価値を客観的に知ることが重要です。実家周辺の不動産の相場を調べることで、売却もしくは賃貸に出すことができるか、活用の可能性を把握できる。不動産仲介サイトや賃貸サイトで実家周辺の取引実勢価格を探るのです」

次のページ:【フローチャート】実家じまいの最短手順

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