他人の頭をフルに活かした対話のラリーの法則
テニスの壁打ちと同じように、あなたが投げかける「問い」によって、相手から返ってくる答えは大きく変わります。どんな球を打つか、それはすべてあなた次第なのです。
相手が「壁」である以上、基本的には打った球に応じた球が返ってきます。強い球には強い球が、弱い球には弱い球が返ってきます。
例えば、具体的に知りたいことがあるなら、「○○について知っていますか?」と直球で聞くのが早道です。
けれども、もし「知らない」という答えが返ってきたら、そこで会話は止まってしまいます。
そんなときは、相手が知っていそうな関連トピックから話を始めて、少しずつ本題に近づいていくのも一つの方法です。直球が通用しないときは変化球を打つようなものです。
具体的な問いかけには具体的な答えが、抽象的な問いかけには抽象的な答えが返ってきます。未来の可能性を探りたいのか、目の前の課題を解決したいのか。アイデアを広げたいのか、絞り込みたいのか。目的に応じて、問いかけ方を工夫してみましょう。
例えば、「AIの活用方法について、どう思いますか?」と聞いても、よほど知見のある相手でなければなかなか良い反応は返ってこないでしょう。しかし、「○○社がこんな使い方をしているんですが、面白いと思いませんか?」と具体例から入れば、相手も応答しやすくなります。
あるいは、「作業効率の悪い部分はどこですか?」「人手が最もかかっている業務は?」「労働集約的な仕事といえば?」など、「AI」という言葉を出さずに、まず現場の課題から話を始めてみる。そうすることで、より実りある対話が生まれる可能性が高まります。
以下に、対話のラリーを続ける上で大事なポイントをご紹介します。