億り人・はっしゃん氏はトランプ関税ショックについて「リバウンドでむしろお釣りをもらました」と振り返る(CNP/時事通信フォト)
アメリカ・ファーストを高らかに掲げて再登板したドナルド・トランプ米大統領の関税政策が世界を混乱させている。「相互関税」の発動の後に「90日間の停止」を発表し、赤澤亮正経済再生相が訪米しての日米交渉では、自動車や農産物の貿易について問題視する姿勢を明らかにしたという。日経平均は乱高下を繰り返し、先行き不透明極まりない状況だが、株式投資で億の資産を築いた“億り人”はどう動き、今後をどう読むのか。
「止まない雨はないように、反発しない暴落はない」と語るのは割安成長株への長期投資のスタイルで知られる投資家VTuberのはっしゃん氏だ。現在50代のはっしゃん氏は、元はITエンジニア。約30年の投資歴のなかで資産は3億円を超えている。
資産は「一瞬目減りしたが、もうプラスに転じている」
トランプ氏の「関税ショック」により、4月7日には日経平均が前の週末に比べて2600円以上下落。1日の下落幅としては歴代3位だった。この暴落をはっしゃん氏はどう見たのか。
「とにかくトランプさんの言動が読めなさすぎて、市場は振り回されている感じですよね。ディールを仕掛けて譲歩を引き出そうとしているのはわかるのですが、衝撃を受けた市場が暴落。日本株の場合、相互関税24%や自動車の追加関税25%などが悪材料になって米国株以上に下げました。でも、私自身は最初からある程度冷めた目で見ていました。基本的な考え方として、暴落後には反発が来ます。だから今回、私は動かずに静観していました」(以降「」内は全てはっしゃん氏)
トランプ氏は4月9日、「集中交渉期間」として、発動したばかりの相互関税の日本への上乗せ税率を90日間にわたって一時停止することを明らかにした。その後、赤澤経済再生相が訪米しての日米交渉へとつながっていく流れになったわけだが、はっしゃん氏はこれを「トランプが日和った」と表現する。早めにブレーキが踏まれ、日経平均が反発する展開もあった。そうしたなか、はっしゃん氏自身の資産はどう増減したのか。
「一瞬目減りはしたけれど、もう元に戻りましたよ。というかプラスに転じています。トランプさんの言動には確かに不確実性はあるんですけど、基本的にこれからは為替が円高基調となり、日本では輸入業が有利になっていく。円高が進むことで日本国内のインフレが収まってくるのと、夏の参議院選に向けて景気対策の話題が出てき始めており、内需が活性化する可能性がある。そうしたことから、円高メリットのある内需株が注目だと考えています。私の場合はトランプ氏の関税ショック前の時点で円高メリットや内需株が中心のポートフォリオになっていたので、暴落の影響も相対的に少なく、リバウンドでむしろお釣りをもらました」