参加国・地域数はアジア開発銀行を超え、世界銀行に次ぐ規模となり、国際的な影響力は大きく高まっている。
今年の全人代政府活動報告では、一帯一路といった語句が5度使われており、国際的な生産能力面での協力関係を深め、中国の設備、技術、標準、サービスなどの輸出を推し進め、相互補完を実現すると強調している。
一帯一路戦略を実行する上で、資金面、具体的なプロジェクトの選択といった面において、AIIBは重要な役割を持っている。そのAIIBの規模が拡大した意義は大きい。
もう一つはボーアオ会議の開催である。
ボーアオ会議とは、毎年春先に海南省ボーアオ鎮で開催される国際会議であり、アジア、オセアニアの25カ国における政府関係者、企業経営者、学者などが参加し、アジア、オセアニアにおける共通の経済、社会問題を話し合うハイレベルフォーラムである。
今年は3月23日から26日の4日間の日程(開会式は25日)で開かれ、テーマは“直面するグローバル化と自由貿易の未来”である。いろいろな形で一帯一路戦略に関する話題が組み込まれていた。一帯一路戦略は中国主導ではあるが、地域全体の発展を目指すグローバルな戦略であり、各国の関心は高かった。一帯一路戦略に関して新たに進展があったわけではないものの、改めて一帯一路戦略の重要性が認識されたという点で、このボーアオ会議も本土市場に影響を与えたといえよう。