不動産投資といえば、まず元手はかかるし、収益の上がる物件探しや購入後のケアも何かと手間がかかる。そうした中で最近、富裕層たちの間で「不動産共有システム」(または「不動産小口化商品」)に注目が集まっているという。不動産投資に詳しいファイナンシャルプランナーはいう。
「これは都心の優良物件などを一口1000万円単位や100万円単位で購入し、そこから上がってくる賃料収入などを分配する商品で、競馬の『一口馬主』のようなイメージの仕組みです」
現状では、青山財産ネットワークス(東証2部)が手がける『アドバンテージクラブ(不動産共同所有システム)』とインテリックス(東証1部)が手がける『アセットシェアリング(不動産小口化商品)』などがあるという。
不動産を丸ごと所有するのではなく、小口に分けて投資できる商品としては住友不動産の『サーフ』をはじめとする不動産投資ファンドがあるが、何が違うのか。前出・ファイナンシャルプランナーが解説する。
「従来の不動産投資ファンドは不動産特定共同事業法に基づく『匿名組合方式』のもので、事業者の賃貸事業に出資し事業から得られる利益の中から分配を受ける商品です。多くの場合で事業者が返済順位の低い劣後出資をするなどして、ファンドの償還時の元本の安全性が担保されます。投資家は不動産価格の変動リスクをほとんどとらなくて済む、いわば担保付きの社債を買うような金融商品に近いものでした。