それまでは、月100万の返済という目標をなんとかこなしていた磯貝氏だったが、A子さんと暮らし始めてからは仕事にさらに精を出し、返済額を増やしていった。ときには、月に1000万円近く納める月も出るほどだった。
「1日も早く返済して、彼女の夢であるマイホームを買ってやりたくて」(磯貝氏)
今では従業員も雇い、工場の小部屋を出て賃貸マンションに引っ越した。そして今年4月、磯貝氏とA子さんの間に、新しい生命が誕生した。
残る負債額は4700万円。磯貝氏は「この子のためにも、今年中に返済したい」と意欲を燃やす。天国と地獄を見た男が、妻子の力を得て、今再び這い上がろうとしている。