5月5日、アメリカの雇用統計が発表される。雇用統計発表時は、相場が大きく変動する可能性が極めて高いため、多くのFX(外国為替証拠金取引)トレーダーにとって“お祭り”のようなイベントになっている。しかし、その大きすぎる変動によって、一瞬で大きな損失を被るトレーダーも少なくない。雇用統計発表時に損失を抑えて、利益を獲得するために重要なことは一体何なのか? FXのカリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんは、雇用統計に向けての心構えについて、次のように解説する。
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まずは4月に発表された3月の雇用統計を振り返ってみましょう。4月5日、政府の発表に先駆けてADP民間雇用者数の発表がありましたが、「前月比18.5万人増」という大方の予想に対して「前月比26.3万人増」となり、極めて大きな伸びになりました。
この結果を受け、マーケットでは「4月7日に政府が発表する3月の雇用統計も大幅増が期待できるのでは?」という思惑が広がりました。しかし、蓋を開けてみると 非農業部門の雇用者数は「前月比9.8万人増」となり、エコノミスト予想の「前月比17.5万人増」を大幅に下回る結果に。ADP民間雇用者数とは、まるで正反対の結果が出たということです。
ただ、私としてはこの結果を特別ネガティブに捉える必要はないと考えています。単に季節的要因による結果だとも考えられますし、昨年も驚くほど数字が落ち込んだことがありました。2016年5月の非農業部門の雇用者数は「前月比3.8万人増」でした。さらに言うと、平均時給も上がっています。