日経平均が、いよいよ本格的な上昇局面を迎えたようだ。2015年12月に2万円台を記録して以降、イギリスのEU離脱やアメリカの景気回復の遅れなどで一気に下落し、長く1万8000円台で停滞していた日経平均だが、専門家の読みも変わってきている。証券アナリストの植木靖男氏はこう見る。
「この勢いでいけば、2万円台では終わらない。私は2万3000円くらいまでは行くと思います」
さらに強気に、「将来的には3万円まで行く」(ケイ・アセットの平野憲一代表)という声も出てきた。
その要因のひとつとして、5月7日、フランス大統領選で保護主義の流れをくまないエマニュエル・マクロン氏が、反EUを掲げたマリーヌ・ルペン氏を破って当選した。翌8日の日経平均は、450円高の1万9895円70銭と、年初来高値を更新した。
もしルペン氏が当選していたら、フランスのEU離脱が現実味を帯びる流れになり、EU崩壊の懸念さえ囁かれていた。そうなればイギリスが国民投票でEU離脱を決めた時以上に世界経済は混乱し、日経平均も上昇どころか大幅下落していただろう。
「大統領選の結果、フランスのEU圏離脱という政治リスクが薄らいだことが投資家に与えた安心感は計り知れない」(前出・植木氏)