日本経済新聞(5月12日付)は3月決算の上場企業1332社の前期純利益総額が20兆9005億円、今期はさらに増えて史上最高となる21兆8196億円に上ると報じている。電機メーカーや商社の回復が大きく牽引した。
黒字転換と最高益ラッシュのなかでも衝撃的だったのは、グループ連結の純利益で初の「1兆円超え」を達成したソフトバンク。その額は、前期比3倍にあたる1兆4263億円だ。株式評論家の植木靖男氏がこう指摘する。
「2013年に孫正義氏が米国の携帯電話スプリントを買収した際には、巨額の有利子負債が本体の重荷になることが予想されましたが、3年で業績は改善し、創業からたった36年でトヨタと並ぶグループ利益1兆円超えにつなげた。その慧眼は恐ろしいものがある」
ソフトバンクは昨年、英半導体開発大手アームホールディングスを3兆3000億円もの巨額を投じて買収し話題となった。
「IoT(モノのインターネット)の開発競争が激化する中、アームの半導体があらゆる分野に必要とされ、大稼ぎする可能性もある」(同前)
こうした成功が、日本経済全体の好循環にもたらす恩恵は計り知れない。