日本経済新聞(5月12日付)は3月決算の上場企業1332社の前期純利益総額が20兆9005億円、今期はさらに増えて史上最高となる21兆8196億円に上ると報じている。電機メーカーや商社の回復が大きく牽引した。一方自動車メーカーは昨年、為替が円高に振れたことが響き、トヨタ自動車は18年ぶりとなる「2期連続の減益」が見込まれている。
重厚長大型の産業よりも、サービス産業の業績拡大に今後の可能性を見るのが、SBI証券のシニアマーケットアナリストの藤本誠之氏だ。
「リッチ層が高級品を買う“モノ消費”よりも、中間層のサラリーマンが自分や家族のために時間を豊かに過ごすためにお金を使う“コト消費”が拡大しており、この傾向はこれからより顕著になると考えられる」
藤本氏の指摘通りの事例がある。「コメダ珈琲店」を展開するコメダホールディングスは2017年2月期決算で最高益を記録した。屋内レジャー施設のラウンドワンは2017年3月期、5年ぶりに大幅な業績アップで一時ストップ高(5月9日)だった。「ホリデイスポーツクラブ」を運営する東祥も増益決算を公表している。