パチンコ依存症の告白「負けてもいいから」
この法案では本人もしくは家族からの申告をもとに依存性と判断する仕組みを想定しているという。
「ギャンブル依存症の大きな問題は、ギャンブルにお金を使いすぎるあまりに、貧困に陥ったり、多重債務を抱えたりして、自分や家族の生活が崩壊してしまうことです。依存症の人の多くが、もはや自分ではやめたくてもやめられない状態になっていることが多いので、半ば強制的にギャンブルと触れ合えない環境を作る必要もあるのだと思います」(同前)
では、ギャンブル依存症とは、一体どんな状態なのだろうか。「かつて依存症だった」と自認している30代会社員の男性Aさんはこう話す。
「大学生のころからパチンコをやるようになったんですが、当時はお金もそんなになかったので、たまに遊ぶくらいでした。ところが就職してちょっとお金に余裕ができ始めると、歯止めが効かなくなってしまったんです。仕事帰りに毎日パチンコに行って、少なくとも1万円くらいは使って、休日はほぼ朝から晩まで打つ。貯金はもちろんなくて、“軍資金”が無くなったら消費者金融で借りるという生活です」
そんなAさんは、いつからか「パチンコで勝ちたい」という気持ちすら薄れていったという。
「1日に7万円も8万円も負ける時もあるんですが、負けることの辛さよりも、負けてもいいから打ちたいという気持ちが強くなってくるんです。たとえば月に15万円くらいコンスタントに負けていても、“お金がかかる趣味”くらいの気持ちになってくる。そう感じてきたらもうアウト。ほぼ依存症だと思います」(同前)
いま現在Aさんは、まったくパチンコを打っていない。どうやってやめたのだろうか。
「会社の部署が異動になって、時間的に忙しくなったことで、徐々にパチンコに行く機会が減って、いつの間にか行かなくなりました。継続的にパチンコ店に通っていないと、新台に追いつけなくなって、だんだん面白くなくなってくるんですよね。半強制的にパチンコ店から遠ざけられたことが、やめることができた大きな理由だったと思います」(同前)