街を行く人に尋ねてみれば、きっと誰しも住んでみたい街があるはず。けれども理想と現実には、得てして大きな差があるものだ。憧れのあの街は果たして本当に素敵な街なのか? まったくノーマークだけど、実は住みやすい街は? 今回は、SUUMOが行った「住みたい街ランキング 2017」で5位にランクインした「品川駅」(東京都港区)について、ライターの金子則男氏が解説する。
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かつて江戸と京都を結んだ東海道の1番目の宿として栄えた品川。当時の「品川宿」は現在の京急の北品川駅から青物横丁駅付近で、品川駅からはやや離れていますが、そんな品川の名をさらに有名にしたのが、2003年の新幹線駅の開業です。名古屋・大阪方面に帰る人は「東京駅のこんなに近くに新幹線の駅が必要なのか」とお思いでしょうが、これにより23区南部の住民は東海道新幹線をより利用しやすくなりました。
そんな品川駅は、鉄道の便では全国最強クラスの便利さを誇ります。JRのラインナップは、東海道新幹線、東海道線、山手線、横須賀線、京浜東北線と、1つでも通っていればありがたいような主要路線ばかり。さらに京急も通っているので、羽田空港へも15分ほどで行くことができます。
道路状況に目を向けると、西口のすぐ前に第1京浜が通っており、海側の東口方面は商用車が多いものの道は広々としています。西口の高輪方面の高台は道が狭い上に複雑ですが、そもそもそのあたりは高級住宅街で、基本的に用が無い地域。庶民の手が届く物件がある場所ではないので、特に気にする必要はないでしょう。