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創業100年超の紙問屋と創業500年和菓子メーカーの倒産理由

「信じられないことに、加賀屋はその総務経理部長を解雇せず、他に経理がわかる社員がいないという理由で、そのまま経理業務を任せたのです。これでは金融機関が支援するはずがない」

 取引銀行は新規の融資を停止。再建の道が途絶えた加賀屋は2016年7月に倒産した。

経営者の人材難

 室町時代から500年以上の歴史をもつ和菓子の駿河屋(和歌山市)は、創業家20代目社長が架空増資で逮捕され、後継者の目途もつかず転落への道を進んだ。

 駿河屋は老舗和菓子店としては珍しく上場していたが、業績低迷で株価が下落し、上場廃止の危機にあった。そこで、財務強化を装うため、2003年に投資コンサルタントの飯倉ホールディングス(HD)と組んで架空増資に手を染めたが、発覚して駿河屋20代目社長と飯倉HD社長らは逮捕された。

「逮捕後、創業家以外から初のトップが誕生しますが、失った信用を取り戻せず業績は低迷、退任に追い込まれた。結局、2014年6月に破産手続きに追い込まれますが、創業家が実質的に経営から離れざるを得ないなかで、社内で経営を担える人材が育成されていなかったことが会社を立て直せなかった大きな一因」(同前)

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