TDBが見出す「倒産の兆候、共通点」を見ていくと、自然と思い浮かぶのが東芝だ。
巨額資金を投じた米原子力子会社の買収という拡大戦略は、東日本大震災以降の原発市場の縮小によって1兆円近い巨額赤字という結果を招いた。経営危機のきっかけとなる不正会計を主導した歴代3社長らへの損害賠償請求は当初3億円という額で、株主を中心に「甘すぎる」という批判が続出した(昨年1月に請求額を32億円に増やすと発表)。監査法人の了承を得ない異例の決算発表も記憶に新しい。
内藤氏は「あれだけの巨大企業ですし、まだ売却できる資産はあるので、倒産リスクは即断できない」としたが、注視することが必要なのは間違いない。
※週刊ポスト2017年6月9日号