「まず、社内で色々な人から『自転車通勤してるんだって?』と、話しかけられるようになりました。『何分ぐらいかかるの?』とか『疲れない?』とか、話のとっかかりに良いみたいで、社内で顔が広くなりました」
自転車で通勤しているだけで「健康に気を配り、自己管理がデキるヤツ」と、周囲の評価が上がったというナカジマさん。それ以外にも予期せぬメリットがあったという。
「これまではどちらかと言うと“面倒な仕事を頼まれるキャラ”だったんですが、余計な仕事を頼まれなくなりました。たぶん、『あんまり遅くなると(自転車だから)気の毒』だと思うんでしょう。どうせ残業代は全額つくわけじゃないので、ありがたくさっさと帰らせてもらってます。おかげで自分の時間がすごく増えました。
また上司やら、取引先やら、行きたくない飲み会も断りやすくなりました。最近では自分が断る前に、誰かが『ナカジマさんは自転車だから』と、言ってくれます」
通勤の交通費はもともと会社から出ていたので、その点は節約にはならないものの、ムダに飲むことがなくなり、「月に1~2万円は出費が減った」というナカジマさん。この分ならロードバイクを買うのに使ったおよそ10万円もすぐに回収できそうだが、事故やケガの心配はないのだろうか?
「ロードバイクはタイヤが細いので、段差でコケそうになったり、マンホールでスリップしてヒヤッとしたことは何度かあります。ヘルメットは必須ですね。ちなみに自転車通勤をしていて途中でケガをした場合、原則的には通勤災害となり、労災が適用され、医療費は全額負担されます。もちろんケガをしないに越したことはありませんが」
サラリーマンにとって、ある意味で仕事よりもウンザリなのが通勤ラッシュ。健康的で、お金も節約できる自転車通勤が、今後注目を集めるかもしれない。