銀行各社は、明らかに意図的にカードローンで低所得者を狙い撃ちにし、その危険性を把握していながら黙殺してきた。
彼らは、ここにきてようやく「CMの自粛」や「審査の厳格化」を口にし始めたが、報じられている弥縫策(源泉徴収票の提出など)で虚偽申請を見抜くことは困難である。
●ふじの・みさを/1981年大阪市生まれ。成蹊大学卒業後、出版社勤務を経て独立。ルポルタージュや小説を発表している。ノンフィクション『バタス』(講談社刊)、長篇小説『憂国始末』(新潮社刊)、短篇集『アムステルダムの笛吹き』(中央公論新社刊)など著書多数。
※SAPIO2017年7月号