「トランプラリー」が一段落し、方向感の読みにくい相場が続いている。こうした中で今後の投資チャンスはどこにあるのか? レオス・キャピタルワークス代表取締役社長で「ひふみ投信」運用責任者の藤野英人氏が解説する。
* * *
難しい局面が続く相場だが、手がかりがないわけではない。目下のところ、私が注目しているのが任天堂(東証1部・7974)だ。
今年3月に発売した新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ(Nintendo Switch)」は発売前の評価はそれほど高くなかったが、国内外で入荷待ちとなるなど好調な滑り出しとなっている。同時発売の『ゼルダの伝説 ブレス オブザ ワイルド』が人気ソフトとなり、今後も『スプラトゥーン』や『ドラゴンクエスト』シリーズなどが次々と投入される予定で、さらなる期待が高まる。
ゲーム業界はしばらくスマホゲームの時代が続いてきたが、スイッチの登場によって、コンソール(据え置き)型に潮流がシフトする可能性が高いと見ている。そうなると、昨年、スマホゲーム『ポケモンGO』で株価が急上昇した任天堂株が、再び相場の主役に躍り出る公算も高まってくる。
そして昨年の相場がそうだったように、関連銘柄にも大きな賑わいが予想される。たとえば『信長の野望』シリーズなどを手がけるコーエーテクモホールディングス(東証1部・3635)やカプコン(東証1部・9697)、バンダイナムコホールディングス(東証1部・7832)なども注目だろう。あるいはライバルであるソニー(東証1部・6758)への相乗効果も期待できるかもしれない。