それだけではない。コンソール型ゲームにAR(拡張現実)やVR(仮想現実)技術が加わることで、ゲームメーカーのみならず、それに付随する電子部品、半導体関連への波及も期待できる。市場が手詰まりになっているからこそ一気に注目が集まる可能性は高く、裾野の広さまで考えると、息の長いテーマになる素地も十分にある。
もうひとつ、IT業界に新しいテクノロジーが生まれる可能性も浮上してきている。まだ具体的なものは見えてこないが、たとえばパソコンはCPU(中央処理装置)を頭脳にメモリ上で動かして、HDD(ハードディスクドライブ)に保存するという基本構造だが、本来なら作業場所であるフラッシュメモリがすべての機能を併せ持つような劇的な変化が起こりそうなのだ。
次世代通信規格の5Gがいよいよ登場しようとするなかで、その通信速度を活かせる機器の登場が待望されている。スマホでもPCでもない、次世代のIT機器の誕生は必然といってもいいだろう。
そのような画期的なテクノロジーでIT革命は次のステージを迎え、そうなれば日本の製造業の強みである微細加工などが存在感を増し、日本株にとっても大きなチャンスにつながる期待も十分に持てるだろう。
※マネーポスト2017年夏号