駅前には「これでもか」と言わんばかりにタワーマンションが立ち並び、駅周辺には「武蔵小杉東急スクエア」「ららテラス」「グランツリー武蔵小杉」など、商業施設も多数存在。買い物や飲食はもちろん、図書館や区役所などの公共施設も駅前にあり、すべての用事が駅前で事足りてしまいます。近隣にはサッカー・J1の川崎フロンターレの本拠地(等々力陸上競技場)があり、週末にはサッカー観戦を楽しむこともできます。
JR駅の乗降客数は20年で2倍に
タワマンの乱立による急激な人口増加は、街ににぎわいをもたらしましたが、その弊害も少なくありません。その筆頭が駅の混雑です。武蔵小杉駅のJRの乗降客数は、ここ20年で約2倍に増え、2010年から2015年の間だけでも2万5000人も増加しましたが、街の成長に駅の設備が追いついていません。それゆえラッシュ時の構内の混雑は酷く、「改札に行列ができる」という珍風景も見ることができます。都心部までは20分程度かかりますが、その混雑ぶりも全国最高レベルです。
また、タワマン購入層といえばファミリー層が主でしょうが、保育施設が足りているとはいえません。川崎市は今年4月、市の待機児童が0人だったと発表しましたが、認可保育所を希望しながら入所できず、認可外保育施設を利用するいわゆる「潜在的待機児童」の数は、中原区だけで880人もいました。さらに地元の小学校の中には、タワマンが建つことで生徒が突然急増し、対応に苦慮しているところもあります。
これらを総合すると、メリットとデメリットがはっきりしているのが武蔵小杉の現状でしょう。ラッシュ時に駅を利用しなくて良く、子供もいないのなら、今からでも武蔵小杉は“買い”ですし、隣駅の元住吉や武蔵中原に範囲を広げれば、家賃を抑えることも可能です。