いつからか投資の世界では、1億円以上を稼ぎ出した個人投資家のことを「億り人」と呼ぶようになった。彼らは、いかにして資産を築き上げているのか? まつのすけさん(ハンドルネーム。30代・投資歴12年・総資産1億円)が、自身の投資遍歴を振り返る。
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2000年代中盤に保険会社に入社し、周りでも投資をやっている人が多かったので株を始めました。当初は40万円ぐらいからでしたが、相場がよかったので、適当に業績がよさそうな銘柄を買って持っているだけで上がり、200万円くらいまで殖やすことができました。
ただ、ライブドア・ショックで初めて暴落を経験しました。
このままではダメだと思い、バフェットやロジャーズ、グレアム、オニール、リバモアなどの著名投資家の本を読んで勉強しました。特に、オニールが提唱していた「新高値をつけた銘柄を買って、さらに高値で売る」という投資法はすごく新鮮でした。
私も順張りを基本として、チャートが右肩上がりで業績がいい銘柄を買って、利が乗ったら伸ばしていく一方で、10%下落したら損切りするという手法で投資しました。これだと、損小利大になりやすいんです。
また、「期待値が高いか」を過去データで分析するようにもしました。例えば、「ROE(株主資本利益率)は高いほうがいい」といわれますが、必ずしも株価が上昇するかというとそうではないですよね。