これと関連して、公認会計士の田中靖浩さんが女性によくすすめる言葉が《囲死(いし)には必ず闕かき、窮寇(きゅうこう)には迫ることなかれ》だと言う。敵を窮地に追い込んではならないという意味だ。
解説すると、敵を包囲したら、逃げ口を開けておくことが大切。窮地に陥った敵を追いつめると、死にものぐるいで反撃し、味方の損害も大きくなるという意味。
節約ばかり気にして、夫の小遣いをダウン、唯一の楽しみの晩酌もカット…なんてことをしていたら、妻に内緒で借金をする可能性も。追い込むのではなく、自分から動くよう持っていくのが“勝つ妻”なのだ。
「例えば、定年後にゴロゴロしている夫には、“働け!”と言うのではなく、“お父さんは元気だし、せっかくのキャリアがもったいないよね”と持ち上げれば、“働こうかな”という気になります。男性は、自分で決めたことはやらなきゃいけない、と思うものなので自ら言わせることがポイント」(田中さん)
本音をのみ込んで、夫には自ら考えさせ動くように仕向ける。そんな夫操縦術が家庭の収入アップに繋がるのだ。
【参考資料/『最高の戦略教科書 孫子』守屋淳著(日本経済新聞出版社)、『新訂 孫子』金谷治訳注(岩波文庫)、『孫子の兵法 考え抜かれた「人生戦略の書」の読み方』守屋洋(三笠書房)】
※女性セブン2017年6月29日・7月6日号