それ以降に業務のメールなどをするためには、管理者へ利用の延長申請を出す必要がある。リモートワークの利便性は損なわずに、社外の残業までも可視化することで、「隠れ残業」で社員が健康を害するリスクを軽減できるという。産業医の三宅琢氏は、アイキューブドシステムズのプレスリリースにおいて、以下のコメントをしている。(※注:ICT=情報通信技術)
〈残業を抑制しようとする社会的な流れがある一方で、近年のICTの普及により、仕事を持ち帰る状況が起こりやすくなっています。管理側やデバイス側で使用におけるルールを作らないと、ICT導入が「持ち帰り残業」や「隠れ残業」を助長する温床になりかねないのですが、ルールの整備が十分にできておらず、運用・管理が本人や現場のモラルやリテラシー任せになってしまっているのが実態です。〉
ICTは現代人の働き方を大きく変え、もはやそのメリットを手放すことは難しいだろう。一方で、過去には、大量の持ち帰り残業が過労死の原因として、労災認定された例もある。こんな時代だからこそ、在社時間の削減努力以上に、在宅も含めた“総労働時間”の正しい把握がまずは重要だろう。
厚生労働省は、仕事を終えてから次の日の仕事を始めるまでに一定の休息時間を確保する「勤務間インターバル」の普及のための検討を先月から本格的に始め、大手ビールメーカー各社では導入を進めているという。生きるための仕事であるにもかかわらず、仕事に殺されては身も蓋もない。