街を行く人に尋ねてみれば、きっと誰しも住んでみたい街があるはず。けれども理想と現実には、得てして大きな差があるものだ。憧れのあの街は果たして本当に素敵な街なのか? まったくノーマークだけど、実は住みやすい街は? 今回は、SUUMOが行った「住みたい街ランキング 2017」で9位にランクインした「東京」(東京都千代田区)について、ライターの金子則男氏が解説する。
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日本の首都・東京の表玄関にして日本の鉄道の中心が「東京駅」。以前、「住みたい街ランキング 2017」3位の「横浜駅」を紹介した際も同様の指摘をさせていただきましたが、おそらく「東京」と回答した人の多くは、東京一帯を広く捉えて答えた可能性が高いものと思われます。
それはさておき、実際問題として、東京駅周辺に“通う”のはともかく“住む”というのはリアリティがあるのでしょうか。
結論から言えば、「解釈の仕方によってはアリ」という答えになると思います。まず丸の内口方面は、丸ビルや新丸ビル、丸の内オアゾなど、三菱地所が手がけたビルや、日本を代表する大企業の本店がずらりで、住むための物件は見当たりません。徒歩で15分程度の神田錦町や内神田まで視野を広げれば物件はありますが、神田、淡路町、小川町など、最寄り駅は別の駅になり、「東京駅」というよりは「神田エリア」です。