2万円近辺で推移を続けている日経平均株価。株価が下がりにくい大きな要因のひとつとなっているのが、日銀によるETF(上場投資信託)の買い入れだ。昨年7月に日銀が6兆円のETF買い入れを発表してから1年が経とうとしているが、日銀が政策を継続するのかどうかが今後の相場動向を見極める上で大きいポイントとなるだろう。こうした状況において、トレーダーはどのように相場に向き合い、取引すればよいのだろうか? カリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんが解説する。
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今月7月に注目すべきイベントは、やはり「日銀がETF買い入れに関して、どのような政策を発表するのか」ということです。
昨年7月に年間3.3兆円のETF買い入れ額を年間6兆円にまで増額することを発表しましたが、その政策を継続するのか、やめてしまうのか。それによって今後の相場動向は全く異なったものになるでしょう。
私としては、これまでの政策を継続する方向で見ています。なぜな、ら6月に黒田東彦日銀総裁がマスコミに対して「出口戦略はまだ考えていない」ということを発言しているからです。
出口戦略とは、今の金融政策を終わりにすることを意味しますので、それを考えていないということは、また同じように6兆円の買い入れを行う可能性が高いと見てよいのではないでしょうか。そして、実際に6兆円の資金がまた投入されれば、日本株にとって非常に大きな下支えとなるでしょう。