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ライフ

宝くじ高額当せん者だけが読める冊子『【その日】から読む本』の中身

〈たとえば、当せんしたことを黙っていたのに、会社や近所でうわさが広まってしまったということがあるかもしれません。そして、見ず知らずの人や団体から寄付を求める電話がかかってきたりするということもありえます。

 あなたに知っておいてほしいのは、人間にとって秘密を守るのはむずかしいということです。たとえひとりでも、あなたがだれかに当せんしたことを話したのなら、そこから少しずつうわさが広がっていくのは避けられないと考えたほうがよいでしょう。

 また、あなたが当せんしたことを知ってから、周囲の人々の態度が変わったことで、人間不信になるかもしれません。でも、当せん直後に彼らがさわいだり以前とは違う態度を取ったりするのは、人間として自然な反応だと思ってください。〉

1億円を拾った「大貫さん」への周囲の嫉妬

 人間は「ラクして稼ぐ」方々が大嫌いである。1980年、トラック運転手の「大貫さん」が東京・銀座で1億円を拾い警察に届けたところ、落とし主が出なかったことから所得税約3400万円を払い、残りは自ら手に入れた。大貫さんに対しては、1億円を拾ってからもバッシングが続いて抗議電話なども寄せられたが、人々の心理としては「たまたまその場に居合わせただけで大金を獲得するなんて許せない!」というものがあるのだろう。大金を得るには、スポーツや音楽などの特別な才能や、リスクを負ってでも起業するだけのガッツと根性を持った人物でないと許さないといった雰囲気がある。

 宝くじも大貫さん同様、「単に買ったタイミングが良かった」「凡人のくせに(私が一生手にできない)大金を得やがって!」という嫉妬の気持ちがある。第4章はこうした状況に周囲がなってしまうことを最初から釘をさしているのだ。宝くじが当たるのは大貫さんの件とは異なり事件ではないためニュースにはならないだろうが、自ら(知り合いやSNS上での)“ニュース”にしないに越したことはない。

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