「女性の場合は人生で3度の介護を体験する可能性があります。親、夫、そして自分です。親の介護は親の資産でやるとしても、夫と自分の2人分となるとかなり負担になりますから、こればかりは準備が必要です」(井戸さん)
ただし介護費用は、市区町村から介護や支援が必要だと認定されれば、かかった費用のうち1~2割の自己負担で済む(収入により異なる)。
さらに、自己負担額が上限を超えると、超過分を後から払い戻してもらえる「高額介護サービス費」という制度もある。こちらも収入によって払い戻される額は異なるが、一般的に、1か月の負担上限額が月額4万4400円で、これを超えると超過分が戻ってくる。
こういった制度を使っても、夫婦で生涯、数百万円は足りない。どうやって準備したらいいのか。
「60才からでもできる準備としておすすめなのは、来年1月から始まる、“つみたてNISA”。年間の投資額が40万円までですが、確定拠出年金と違って年齢制限なく20年間は運用できるので、ちょうど800万円になります。月々3万円ほどの掛け金が必要ですが、定年前後から始める20年後の医療・介護費の準備としては最適です」(井戸さん)
運用益非課税で、資産の途中引き出しも可能。今からチェックしておきたい。
※女性セブン2017年7月27日号