上期の統計でもっとも注目されるのは、新エネルギー自動車の動向である。1-6月における全体の販売台数は19万5000台で、この内、乗用車は16万4000台である。伸び率は順に、14.4%増、35.9%増となっている。昨年後半、一部メーカーによる補助金の違法取得問題が発覚、今年は新エネルギー自動車の認定や、補助金支払いが厳格になったことなどから、新エネルギー自動車には逆風となったが、その割にはしっかりと成長が続いている。
新エネルギー乗用車の内、13万2000台がEV(電気自動車)で62.9%増、3万2000台がハイブリッドで19.9%減となっている。中国市場では既に、EVが主流となっている。
新エネルギー自動車については、環境保護の面からも、石炭などのエネルギー関連に関する供給側改革の面からも、更に、戦略的振興産業に属するといった面からも、国家がその発展に力を入れている。
開発面では企業に対して補助金を与える一方で、一定規模の生産を義務付けようとしている。需要面からはユーザーに対する補助金・減税、ナンバープレートの優先発給や、地方政府が主体となって電気スタンドの設置を進めるなど、全方位的な産業支援がなされている。
7月23日、日経新聞の報道によれば、トヨタ自動車が2019年にも中国でEVを量産することを検討し始めたようだ。トヨタ自動車はこれまで、ハイブリッド車の普及、水素燃料電池車の開発を進めてきたが、世界最大の新エネルギー自動車市場である中国では、EVが主流となることが明らかであるため、戦略の転換を迫られている。