みずほ銀行は7月6日、同性パートナーでも共同で住宅ローンが組めるよう商品改定を行なった。社会的関心の高まるLGBT(レズビアン=女性同性愛者、ゲイ=男性同性愛者、バイセクシュアル=両性愛者、トランスジェンダー=性別越境者などの頭文字をとった性的少数者の総称)向けに邦銀で初めて門戸を開いた格好だ。
従来の住宅ローンでも、同性パートナーの顧客が単独でローンを組むことはできたが、同性パートナーと2人で同居して持分を共有する住宅についてそれぞれローンを組む「家族ペア返済」や同性パートナーの収入も含めて借り入れる「収入合算」はできなかった。そこでみずほ銀行は、同性パートナーを婚姻関係と同様に配偶者扱いすることでそれらの対応を可能にしたという。
その経緯について、みずほフィナンシャルグループ(FG)広報室はこう説明する。
「当グループでは、ダイバーシティ&インクルージョンの推進が会社の持続的な成長に不可欠なものとして経営計画に定め、多様な社員の視点や発想を日々の業務推進や意思決定に取り入れ、革新的な商品の開発やサービスの提供などにつなげています。LGBTの住宅ローンニーズについても社員の研修プログラムにおけるワーキンググループで現場の社員から経営陣に提案があったことがきっかけでした。そのワーキンググループで10数名の当事者にもインタビューした結果、相応のニーズがあることなどがわかりました。
また民間企業の調査データによると、人口の7.6%がLGBTに該当するとの推計もあり、社会的意識が高まっているという状況も踏まえ、今回の商品改定を実施しました。お客さまの多様なニーズをとらえ、住宅の購入をサポートしていきたいと考えています」