2016年9月に「iDeCo(イデコ)」の呼び名がつけられたことから身近になった「個人型確定拠出年金」。昨年末まで30万人だった加入者が、今年5月には約51万人に急増し、注目を浴びている。
イデコは、老後資金の不足分を月々積み立てて長期運用する、いわば自分で作る年金だ。年金のプロで社会保険労務士の井戸美枝さんが解説する。
「働いていて所得税・住民税を納めている人なら、掛け金が全額所得控除されるのが、大きなメリット。また、普通なら運用益が出ても源泉分離課税で20.315%が引かれるところ、イデコなら非課税。しかも、60才以降の受給時も優遇措置があるなど、お得が満載なので、人気が高まっているんです」
例えば、パートで年収127万円の主婦の場合、給与所得控除と基礎控除を引いた24万円分に課税された住民税10%と所得税5%、計3万6000円が天引きされる。しかし、月2万円ずつイデコに掛けていれば、1年で24万円が控除され、3万6000円が丸々節税できるのだ。