観客と同じ空間を共有しながら、生の演技を披露する舞台。ドラマや映画とは一味違った魅力を持っており、阿部サダヲや堺雅人、吉田羊、高畑充希など、誰もが知る有名俳優のなかにも舞台出身者が多く存在している。
とはいえ、舞台を中心に活動する役者たちの多くは、同時にアルバイトをしなければ生活できないのが現状でもある。実際に舞台役者のギャラ事情はどうなっているのだろうか。現在団員10名ほどの劇団に所属し、年に数回、下北沢を中心に小劇場のステージに立っている女優のサトミさん(37・仮名)に話を聞いた。
「所属劇団の公演は、年に3~4回くらい。1作品につき練習期間は1か月で、本番は2週間です。ギャラは10万円、それに加えてチケット1枚を売る毎に500円が戻ってくるチケットバック分。これまでもらった最高額は15万円でした」(サトミさん、以下同)
1日の稽古時間は平均6時間。本番前の1週間は、丸一日拘束されることもあるそうだ。稽古時間以外のときには、稽古場の確保や駅前でのチラシ配布、小道具の手配、舞台の仕込みなども団員が自ら行うという。