テレビやネット番組、営業などで活躍し、月に100万円単位のギャラを稼ぐ売れっ子芸人がいる一方で、劇場を中心に活動する駆け出しの若手芸人は、お笑いのギャラはほとんどもらえず、アルバイトで生計を立てているパターンがほとんどだ。
過去大手事務所に5年間所属し、お笑い芸人として活動していたことのあるAさんが、若手時代の赤裸々なギャラ事情を話す。
「ライブの出演料はほとんどノーギャラ。テレビの前説の仕事は3時間以上拘束されて2000円。レポーターの仕事で、泊まり込みで地方に1週間いたときのギャラは5000円でした」(Aさん、以下同)
ギャラが安いのは序の口で、当時はこんな経験もあったという。
「事務所のライブを開催したときに、お客さんが入らないと赤字になるからと言われ、若手芸人たちは必死でお客さんを呼んだんです。その結果、小さな小屋に入りきらないくらいの大盛況で、入れなかったお客さんからクレームが来たほどでした。なのに後日、マネージャーから、『赤字が出た』と言われて1人5000円ずつ徴収されたんです……」