「早期退職すれば2000万円の退職金に300万円が上乗せされるので、60歳直前で退職しました。預金が1000万円弱あったので、退職金と合わせて約3300万円。家内に聞くと毎月の生活費は20万円というので、6年間は無収入でも十分にしのげると思った。
ところが20万円というのは最低ラインで、家電が壊れたとか自動車の車検とか臨時支出が頻繁にある。子供たちが家族で遊びに来れば数万円が飛んでいく。預金はどんどん目減りしていく。退職1年目にして、このままでは貯金が底を尽くとわかり、アルバイトを始めました。たった300万円のために早期退職したことを悔やんでいます」
そうした無収入・無年金の期間が10年となれば、“脱落者”が激増することは火を見るより明らかだ。
※週刊ポスト2017年8月18・25日号