8月11日は「山の日」。国土交通省によれば、平成28年の山岳遭難事故の発生件数は2495件、遭難者数は2929人。10年前、平成18年の発生件数は1417件、遭難者数は1853人で、それぞれ1.76倍、1.58倍にもなる計算だ。
登山計画の作成や滑落・転落防止のための装備、道迷い防止として地図、コンパス等を有効に活用して、常に自分の位置を確認することが大切だが、外部から登山者の行動を把握しようという試みもある。8月8日に博報堂アイ・スタジオは、長距離無線の LPWAによる独自の登山インフラにより、登山者の行動データを家族や関係者がパソコンやアプリで確認できるシステム『TREK TRACK』を8月18日から開始すると発表した。同システムを手掛けたクリエイティブ責任者の笹垣洋介氏は、次のように語る。
「遭難したとき、おおよその位置を把握しているだけでも救助費用はかなり押さえられます。『TREK TRACK』は数分おきに登山者の位置情報をサーバーに送るので、最後に確認できた位置だけでも関係者が救助隊に伝えることができます」
公的機関か民間かによって無料か有料か分かれる
実際に山岳救助が必要となった場合、多額の費用が必要となる。山岳保険でどこまでカバーできるのか。