「山岳保険には、単発タイプ、年間タイプとあり、費用やカバーする範囲はそれぞれですが、捜索・救助費用をカバーするのは、年間タイプ、数千円の保険料で300万円くらいといったところです。
例えば日本費用補償少額短期保険の『レスキュー費用保険』はレスキューに特化した保険で、年間4000円で、捜索・救助にかかる費用を300万円までまかなってくれます。日本山岳救助機構会員であれば、入会費2000円+年会費2000円で、捜索・救助費用実費を1会員1会員期間あたり330万円を限度に補填してくれます」(笹垣氏)
国内のヘリコプターレスキューは、警察、消防、自衛隊、民間ヘリ会社によって行なわれている。警察、消防、自衛隊のヘリは無料だが、民間ヘリは当然有料。救助費用は遭難者が負担することになる。
日本山岳救助機構合同会社のサイトによれば、民間ヘリの東邦航空の場合、捜索・救助料金は1時間あたり46万5000円。遭難現場が明確にわかっていれば、救助が1時間前後で完了するとして、費用は50万~80万円ぐらい。しかし、行方不明などで広く捜索しなければならないときは時間もかかり、費用もかさむという。
公的機関か民間かによって無料か有料か分かれるが、どのヘリが救助に向かうのかは、「機体のスケジュールや事故現場の状況などを考慮して決められ、救助の要請者は、使用するヘリを指定することはできない」(日本山岳救助機構合同会社)という。
公的機関の人員以外に、民間も含めて大規模な捜索・救助活動が行われた時には、人件費や日当のほか、その人たちの装備費・保険料・交通費・食糧費も払わなくてはならない。