「夏枯れ相場」で市場が閑散としているなか、北朝鮮情勢の緊迫からやや値を下げた日経平均株価。今年に入ってずっと2万円を挟んだ狭いレンジでのもみ合いが続いた後に、若干弱含んでいるが、いつまでこうした展開が続くのか。市場関係者は次のような見方をする。
「このような膠着状態がいつまでも続くわけがなく、いずれ株価は大きく動くでしょう。それが上なのか下なのかは、いまのところ“五分五分”としかいいようがないが、その大きなきっかけは9月19~20日(米国時間)に開かれるFOMC(連邦公開市場委員会)となる可能性が高い」
世界的な金融緩和が続くなか、いち早く引き締めに舵を切り出したFRB(連邦準備制度理事会)は前回(7月26日)のFOMCで、量的緩和政策で買い入れてきた米国債などの資産圧縮の開始時期について、それまで「年内」としてきた説明を「比較的早期」に転換。市場では次の政策会合である「9月」が最有力視されている。
「教科書通りに考えれば、米国債の売りに伴って金利が上昇、それによってドル高へとつながることから米国株にとってはマイナス要因となる。ところが、足元のマーケットを見ていると、そのような『金利高、ドル高、株安』局面が予想されるというのに、ニューヨークダウやナスダックはそうした局面を織り込むどころか、過去最高値を更新するなど動揺している感じはほとんどしない。
だからといって安心はできません。不気味なのは投資家心理を示し、恐怖指数とも呼ばれる『VIX指数(ボラティリティ・インデックス)』が日米ともに低水準にあること。これも長くは続かないので、数値が高まってくるようだと、それに伴って株価は上下いずれかに大きく動くのは間違いない。場合によっては9月のFOMCを機に暴落というシナリオも想定しておく必要があります」(同前)