さて、問題の宿ですが、1泊2500円という値段は“安宿専門”の私の中でも破格。実際にホテルの前までたどり着くと、看板の電気は点いておらず、人の気配もなく、廃ビルのような雰囲気を漂わせています。それでもフロントに向かうとスタッフが現れ、カギを渡されました。
エレベーターを降りて廊下を進む際、ドアとドアの間隔がやけに狭いのが気になりましたが、部屋のドアを開けると、その意味が分かりました。ドアを開けると、左手にトイレと極狭のユニットバスがあり、その奥にはシングルベッドがポツンと1つ。ベッドと壁の間にスペースがまったくありません。その部屋はベッドの横幅=部屋の幅だったのです。
私の経験では、日本のホテルはどんなに値段が安くても、どんなに建物がくたびれていても、布団やシーツが清潔でないことはないので、寝る分にはまったく問題はありませんでした。口コミサイトでも“部屋が予想以上に狭くてびっくりでしたが、価格が安く眠るだけだったので充分”などと高評価だったのですが、その後、このホテルは潰れてしまったようです。ベッドの幅に合わせて部屋の幅を決めたのか、部屋の幅に合うぴったりベッドを見つけたのか……、真相は今でも気になるところです。