政府は年金の受給開始年齢を75歳に引き上げることを検討しているというが、75歳受給は「65~74歳は働いて、年金でもらえたはずの2600万円(毎月約22万円)を自分で稼げ」といわれているに等しい。
ただ、内閣府の高齢社会白書(平成28年版)によると、男性の非正規職員・従業員の比率は60歳を境に大幅に上昇し、65~69歳で74.4%。正社員になれる人などほんの一握りしかいない。
現行制度下における「働く65歳以上の多くは非正規雇用で、コンビニ、スーパーの店員や駐車場の管理人といった月に5万~10万円程度の収入になる仕事をしている」(ファイナンシャルプランナーの豊田真弓氏)という状況は、あくまで“年金をもらった上での足し”だったからそれでよかった。