続いて2点目が、日本は「世界一の対外純資産国」であることだという。
「日本は、300兆円以上の対外純資産があり、世界一海外の資産を多く持っている国です。政府が保有している米国債などもそうですし、個人の投資家も多くの海外資産を持っています。そのため、何かが起きたとき、日本人がその投資を引き上げる動きにつながりやすく、それも『円買い』につながります」(同前)
とはいっても、「私は海外の資産なんて持ってないよ?」という方も多いかもしれない。
「実は、多くの方が間接的に、世界中に投資をしています。FX(外国為替証拠金取引)をされている方、証券会社や銀行で海外に投資をする投資信託を購入されている方はもちろんですが、たとえば生命保険に加入されている方も間接的に海外に投資をしています。というのは、加入者から集めた保険金は、国内外の株や債券などに投資をして運用されているためです。リスクを回避するために、こうした海外への投資を引き上げて、円に換える動きから、円高が進みやすくなるのです」(同前)
そして、最大の理由が「何かあったとき円を買う」という動きが染みついていることが挙げられるという。