「東の伊勢丹、西の阪急」といわれ、東京・伊勢丹新宿本店と並び称される、大阪・阪急うめだ本店。年間売上高2205億円(阪急メンズ大阪含む)という、世界有数の百貨店である。アパレル不況と呼ばれる昨今だが、ここだけは違った──。
近年、ユニクロやZARAといったファストファッションの伸長やネットショッピングの急成長によって、百貨店の婦人服は苦戦を強いられている。
逆風が吹き荒れるなか、阪急うめだ本店だけは波に乗っている。2016年11月から前年実績を超過、2017年4~6月期には、3階の婦人服売り場の売上高は前年同期比約20%増という結果を叩き出した。
躍進のきっかけは、全館を建て替えた2012年11月のグランドオープンにある。「劇場型百貨店」というコンセプトを掲げ、世界最先端のファッションや国内外の生活文化ライフスタイルを体験できる「祝祭広場」などを設置して、モノを売るだけではなく、目に見えない文化的価値の提供を強化した。
このリニューアルによって、多くの売り場が好成績を残すなか、想定売り上げに届かなかったのが、婦人服売り場だった。