2012年12月に始まった現在の景気拡大局面は9月で58か月に達しており、戦後2番目に長い「いざなぎ景気」(1965年11月~1970年7月の57か月)を上回り、戦後最長の「いざなみ越え」も視野に入ってきた。
「そんな実感は伴わない」と感じる人も多いかもしれないが、GDPでは個人消費が約6割を占めており、私たちの行動と景気は密接に関連している。景気とジンクスの関係に詳しい三井住友アセットマネジメントの宅森昭吉チーフエコノミストは、景気とテレビの人気番組の視聴率の相関を指摘する。
「例えば、過去のデータを見ると、国民的娯楽番組である『笑点』の視聴率と、消費とは密接に関連しています」(以下、「」内同)
宅森氏によると、『笑点』の視聴率が相対的に好調だと消費は弱めになる傾向にあるという。具体的にはビデオリサーチ社の視聴率週間調査で、『笑点』が「その他の娯楽番組」部門1位を取る回数が少ないと、四半期ごとに発表される実質個人消費が高く出る傾向にあるのだという。
確かに、現在の景気拡張局面のスタートとなった2013年1-3月期から最新の2017年1-3月期までのデータを見ると、『笑点』が1位となった回数がゼロの四半期は3回あるが、実質個人消費がすべて前期比年率1%を超えている。逆に、実質個人消費がマイナスになった四半期は4回あるが、この期間の1位獲得回数は平均4.5回。偶然の可能性も否定はできないが、明らかな相関が見て取れる。