そこでそれぞれの個人に必要なのは、まず自分のバランスシートを作り、ネット・プレゼント・バリュー(正味現在価値)を正確に把握することだ。たとえば、所有している住宅の残存資産価値はどれくらいあるのか? 加入している保険や年金の価値はいくらなのか? そういったことを計算してきちんとしたファイナンシャルプランを組み立て、それに自分が望むライフプランをマッチングさせてバランスシートを最適化していくのだ。これはアメリカ人やドイツ人なら誰でも30代からやっていることである。
この作業をやってみると、実は、かなりの日本人は死んだ時にお金が余るということがわかる。お金が余るとわかった人たちは、そのお金を生きているうちに、人生をエンジョイするために使おう、と考えるはずだ。
つまり、ライフプランとファイナンシャルプランを一致させれば、「漠たる将来の不安」と「保有資産」のギャップを埋めて、消費行動につなげることができるわけだ。
「自営」が「自衛」につながる
また、人生について家族でディスカッションすることも重要だ。日本の場合、コツコツと勤勉に働くという人生しか、学校では教わっていない。