新鮮味に欠ける第3次安倍改造内閣の発足を受けて、メディアは「ポスト安倍」に関心を移した。だが、経済アナリスト・森永卓郎氏はポスト安倍として取り沙汰されている面々が総理になることの方が、日本経済には大きなリスクになるという。どういう意味か。森永氏が解説する。
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ただ重鎮たちを並べた派閥均衡のサプライズなき内閣改造人事や、悲願である憲法改正についての「スケジュールありきではない」といった安倍晋三総理自身の後退発言を受けて、メディアは安倍政権の終焉を盛んに論じている。
だが私は、安倍総理はけっして憲法改正をあきらめたわけではないと見ている。それどころか、危機的な支持率低下のなかで、安倍総理は憲法改正に向けて最善の手を打ったのではないか。歴史を振り返れば、内閣改造で支持率が上昇するのは、人気取りに新顔を並べた時ではなく、重鎮を揃えた時なのだ。その法則は、今回も見事に当てはまった。
実際、改造後の報道各社の世論調査では、ほぼ大幅な支持率上昇が見られた。安倍政権は危機的状況を内閣改造で乗り切ったともいえるのだ。