住んでみたいと思っても、街の理想と現実には、得てして大きな差があるものだ。憧れのあの街は果たして本当に素敵な街なのか? まったくノーマークだけど、実は住みやすい街は? 今回は、SUUMOが行った「住みたい街ランキング 2017」で21位にランクインした「赤羽」(東京都北区)について、ライターの金子則男氏が解説する。
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東京の最北部に位置し、荒川を渡れば埼玉県という場所に位置する赤羽。この街の名を一気に全国区にまで高めたのが、清野とおるの漫画『東京都北区赤羽』でしょう。同作は、赤羽で暮らす人々の姿を描いたエッセイ漫画で、2015年には山田孝之主演でドラマ化(『山田孝之の東京都北区赤羽』)も実現。その効果もあってか、赤羽の注目度は急上昇し、「住みたい街ランキング」と並行して行われる「穴場だと思う街ランキング2017」では、北千住についで2位にランクインしています。
交通面に目を向ければ、赤羽が穴場として注目される理由が理解できます。赤羽駅を通るのは京浜東北線、宇都宮線、高崎線、湘南新宿ライン、埼京線という5線。いずれも首都圏の基幹を成す路線ばかりで、これだけ強力なラインナップが揃った駅はなかなかありません。所要時間は池袋まで9分、上野まで11分、新宿まで15分、東京まで17分、渋谷まで20分。あらゆる主要駅に、短時間で移動することができます。また、北に向かって5分ほど歩けば、東京メトロ・南北線の赤羽岩淵駅もあり、いざという時には代替路線となります。