70歳オーバーの困窮ぶりが深まっている。日弁連の調査(2014年)によれば、自己破産者に占める70歳以上の割合は2005年の3.05%から急増。全体の8.63%を占めている。
“最後のセーフティネット”と呼ばれる生活保護も高齢者世帯の受給が増えている。今年6月時点で164万519の生活保護世帯のうち、65歳以上の世帯はその過半数を占め、過去最多を更新した(86万2076世帯)。
都内の75歳男性は、数年前から生活保護を受け始めた。
「ずっと自営業(国民年金)で、若い頃に保険料を払わない時期が長かった。そのため年金受給額は5万円にも満たない。ずっと独り身で、頼る家族も親戚もない。60代は日雇いのバイトで食いつないでいたが、糖尿病がひどくなってもう働くこともできない。“生活保護は受けたくない”と思っていた頃もあったが、耐えきれなくて……」
生活保護には「援助してくれる3親等内の身内がいない」「資産がない」「働けない」など厳格な要件があるため、すべての高齢者が受給できるわけではない。
そのため受給できないまま生活保護レベル以下の困窮生活をしている高齢者世帯も増加中であると見られている。