「私は月2回ペースで歌舞伎座に通い、いつも6000円の『3階A』というチケットを買っています。歌舞伎座のチケットは、1階桟敷席が2万円、1等席が1万8000円、2等席が1万4000円、3階Aが6000円、3階Bが4000円。席によって値段にかなりの差があり、当然高いほど見やすいのですが、3階A席は花道こそ見にくいものの、舞台全体が見渡せるので、とても気に入っています。舞台裏のカラクリも見えるので、そこも楽しみの1つです。
さらに私は必ず『筋書』を買います。これはパンフレットのようなもので、公演の後半になると写真入りのものが売られますので、そちらも購入します。こちらは1300円です」
これらを総合すると、Aさんが歌舞伎に費やすお金は1か月あたり1万5000円程度。では、これから歌舞伎を見てみようという初心者は、どのように歌舞伎を楽しめば良いのか?
「誰かお気に入りの役者を見つけると良いと思います。私は中村勘三郎の襲名披露を見に行って、市川海老蔵の迫力に見入ってしまい、それ以来、海老蔵の大ファンです。また、女形の所作の美しさは、男性と女性とを問わず魅了されるのではないでしょうか」
とっつきにくそうな印象もある歌舞伎だが、必要以上に構えることもなさそうだ。また、歌舞伎には「一幕見席」というシステムがあり、演目の中の一幕だけを500~2000円程度で見ることができる。初心者の人は、まずはそこから歌舞伎の魅力に足を踏み入れてみてもいいかもしれない。