芸能人は多額のカネを稼ぐように見えるが、そういった人はレギュラー番組を多数持ち、CM出演も多いごく一部の人、あるいはかつて大ブレイクして日本中で「営業」の仕事をもらえる人も含まれるかもしれない。多くの役者や芸人は、舞台やライブで腕を磨くが、もちろんウハウハとはいかない状況だ。舞台役者やライブ芸人たちのギャラ事情について、ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が解説する。
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何らかの専門家が講演をしたり、トークイベントをする――。こうした人前に出る仕事はあくまでも普段の「本業」に伴う「バイト」みたいなものなので、ギャラについてガタガタ言うべきものではないのですが、舞台こそ本業な人にとってはその額が死活問題だったりします。
以前取材させていただいた役者は、とある舞台の主役でした。1週間、全12公演だったのですが、「1回の舞台で主役の私のギャラは7万円です」と語っていました。7万円×12回=84万円なわけで「1週間で84万円ってなかなかじゃないか!」と思うかもしれませんが、稽古期間が2か月あるんですよね。そして、稽古にはギャラは出ません。この舞台につきっきりで、断らざるを得ない仕事も出ることを考えると、そこまで割が良いわけではありません。
主役なのでなんとしてもすべてに出なくてはならない。さらには差し入れをするなども必要だったため、出費もそれなりにあったようです。舞台の告知などの活動も主役抜きでは成り立たないため、「そんなに儲かる仕事ではないですよ」とのことです。