住宅ローンといえば、できるだけ低い金利で借りるのが賢い選び方とされてきた。だが、これだけ超低金利が続く現在、どの金融機関でローンを組んでも金利差はほとんど感じられないのが実情だ。そこで近年、銀行が力を入れているのが、団体信用生命保険(団信)の多様化をはじめとする付加サービスの拡充である。
団信とは、住宅ローンを借りた人が万が一、返済期間中に死亡したり、高度障害を負ったりした場合にローンの残債を完済する仕組みだが、最近では3大疾病(がん・脳卒中・急性心筋梗塞)や高血圧症、糖尿病なども含む7大疾病を幅広くカバーするといった保障も増えている。
ファイナンシャルプランナーの藤川太氏(家計の見直し相談センター)が解説する。
「今までは死亡や高度障害だけが保障の対象でしたが、死ななくてもカバーされるような団信の多様化が進んでいます。なかにはがんと診断されると以降の返済が免除されるものもあり、その後、がんの治療がうまくいっても返済しなくてよいので、対象者にとっては非常にありがたいものでしょう。さらには病気ばかりか、失業した場合でも保障されるものも登場しています」