人間誰しも息抜きは必ず必要。しかし何とかお金をかけずに余暇を楽しく過ごす方法はないものだろうか。40台の男性Yさんの趣味は、裁判の傍聴である。「まったくお金がかからないうえに、とても興味深い」という傍聴の魅力とはどんなものなのだろうか。
基本的な知識だが、裁判というのは原則的に公開されており、誰でも傍聴することができる。その見かたは単純で、「裁判所に行って、法廷に入るだけ」だ。とは言うものの、多くの人は「裁判って何か難しそう」「ルールが分からない」と尻込みしてしまうだろう。まずはYさんが、大まかな傍聴の手順を説明する。
「東京地方裁判所の場合、裁判は月曜から金曜の10~12時、午後は13~16時ぐらいまで行われています。裁判所の周りは何かと物々しい雰囲気ですが、気にせず建物にズンズン入っていけばOK。まずは手荷物検査を受け、それが終わったら、その日に行われる裁判が書かれているファイルをチェック。
『民事』と『刑事』がありますので、最初は『刑事』の『新件』を選びましょう。『新件』とは、その日初めて裁判が行われるもののことです。ファイルには罪名や被告の名前が書かれていますが、何の知識もない方は、そもそも何を見て良いのか分からないかもしれません。そういった場合、『暴行』『脅迫』『覚せい剤取締法』など、自分でも内容が想像できるものを選ぶと良いと思います。わいせつ系は注目度が高いのか、入れないことも少なくありません。
裁判中に法廷に出入りすることは可能ですが、私語は厳禁。録画や録音も禁止です。また、帽子をかぶったままだと怒られることもあるので、その点は注意して下さい」
ところでYさんはなぜ傍聴にハマったのか? Yさんはこう言う。