住まい・不動産

典型的東急タウン「たまプラーザ」の栄華はいつまで続くか?

駅前の栄え方は現状でほぼ打ち止め?

 ただ、メリットばかりに目を向けるわけにはいきません。最大のデメリットは、田園都市線しか移動手段がなく、しかもその混雑がひどいこと。たまプラーザ~渋谷駅間は公称19分ですが、朝の通勤時間は倍近くかかかることも多いうえ、猛烈に混んでおり、座ることなど夢のまた夢です。その混雑ゆえに遅延率も極めて高く、都心部への通勤・通学のストレスは半端ではないでしょう。

 駅前の発展がこのまま続くのかも疑問が残ります。移動手段が田園都市線しかないたまプラーザですが、沿線には二子玉川、溝の口などといったライバルタウンが多数存在し、近隣には港北ニュータウンもあります。二子玉川、溝の口には複数の路線が通っていますし、たまプラーザと港北ニュータウンでは道路状況に雲泥の差があるので、将来的にたまプラーザがこれらの街から客を奪うのは難しいかもしれません。駅周辺の開発は一通り終わっており、駅前の栄え方は現状でほぼ打ち止めと考えるべきでしょう。

 駅前を歩いていると、いかにもオシャレなお店が多く、オープンカフェなども多数あり、街行く人々も洗練されている印象です。また、開発が進んだのが1970~80年代という新しい街なので、旧住民が新住民を見下したり、駅前でマイルドヤンキーがたむろしたりするようなこともありません。

 とにかく上品に、オシャレに、スタイリッシュな生活を送りたいという人には、願ってもない場所ですが、「1LDK・2K・2DK」の相場は、たまプラーザが10.93万円なのに対し、隣駅の鷺沼は9.48万円、あざみ野は9.30万円と、かなりの差があります(ライフルホームズ調べ)。駅周辺は平地がまったくなく坂だらけなので、車も必需品。オシャレな生活を過ごすには、やはりそれなりのお金がかかりそうです。

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