大前研一「ビジネス新大陸」の歩き方

大前研一氏 公務員制度に一生保障は今や不要、制度根本から考え直すべき

 一方、制度を運用する役人の仕事は、人手が必要な労働集約型の業務以外は、これから急速に機械やAIに置き換えられていく。それは製造業では当たり前のことであり、ロボットやITの導入によって生産台数の累計が倍になるごとに工数を15%くらいずつ少なくして人員も削減する。つまり、役所が民間企業並みに機械やAIを導入すれば、制度を運用する役人は、究極的には「無限にゼロ」でよいのである。

 国や地方自治体がIT化による人員削減(=コスト削減)を怠ったまま公務員の定年を延長するのは国民をバカにした話であり、全く理解不能である。本来、政府は公務員の定年延長を云々する前に、AIやIoTの時代の公務員制度はいかにあるべきかを議論すべきなのだ。

※週刊ポスト2017年10月13・20日号

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。