一方、制度を運用する役人の仕事は、人手が必要な労働集約型の業務以外は、これから急速に機械やAIに置き換えられていく。それは製造業では当たり前のことであり、ロボットやITの導入によって生産台数の累計が倍になるごとに工数を15%くらいずつ少なくして人員も削減する。つまり、役所が民間企業並みに機械やAIを導入すれば、制度を運用する役人は、究極的には「無限にゼロ」でよいのである。
国や地方自治体がIT化による人員削減(=コスト削減)を怠ったまま公務員の定年を延長するのは国民をバカにした話であり、全く理解不能である。本来、政府は公務員の定年延長を云々する前に、AIやIoTの時代の公務員制度はいかにあるべきかを議論すべきなのだ。
※週刊ポスト2017年10月13・20日号